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パナソニック:孫会社相手に派遣男性が提訴 直接雇用求め

パナソニック:孫会社相手に派遣男性が提訴 直接雇用求め

毎日新聞記事

 パナソニックの孫会社「パナソニックエレクトロニックデバイスジャパン」(大阪府門真市)で、労働者派遣法が定める派遣期限の3年を超えて事実上勤務してきた河本猛さん(31)=福井県敦賀市=が6日、直接雇用を求めた際、一方的に休業を通告されたとして、同社と派遣元に正社員としての地位確認と、慰謝料100万円などの支払いなどを求める訴訟を福井地裁に起こした。景気が悪化した昨秋以降、国内で派遣先に対して直接雇用を求めた訴訟は珍しい。

 訴状によると、河本さんは05年2月から、当時請負会社だった「日本ケイテム」(京都市)の従業員として、福井県敦賀市のパナ社工場で電子部品製造に従事。同法などに反してパナ社社員から直接指示される「偽装請負」の状態だったという。パナ社は06年11月、請負を派遣に変更。昨年2月、ケイテムは河本さんらの雇用契約を派遣から請負に戻す計画を発表。河本さんはこれを不審に思い、昨年10月、福井労働局に申告した。

 福井労働局は昨年12月、期限を超えていたとしてパナ社を是正指導。河本さんの雇用形態が派遣に変更される06年11月以前、請負会社の従業員だった期間を「偽装請負」と認定、実質的な派遣期間として算入したためとみられる。同社は今年1月、河本さんをアルバイト(時給810円)として直接雇用することなどを提案したが、河本さんが正社員化を求めて拒否すると、休業を通告された。

 パナ社は「訴状が届いていないのでコメントは差し控えたい」としている。【松井聡】
 ◇解説 09年問題を司法に問う

 労働者派遣法改正を受け、メーカーは06年、偽装請負を形式的に解消するため、一斉に労働者の法的身分を「請負」から「派遣」に切り替えた。この時に派遣になった労働者が今年3月末以降、一斉に派遣期限(3年)を迎え、「09年問題」といわれる。期限以降も働かせ続けたい場合は直接雇用する必要がある。派遣は「臨時的・一時的労働」と法的に位置づけられ、法の趣旨は正社員化を意味しているとされる。しかし、提訴されたパナ社は福井労働局の是正指導を受けてもアルバイトでの直接雇用を提案した。

 訴状によると、パナ社は06年11月に請負から派遣に切り替え、当初は09年以降また請負に戻す方針だった。そうであれば非正規のまま働かせ続けようとしていたことになる。労働局が過去の偽装請負を認定し是正指導したのは、請負と派遣を繰り返す手法が法の趣旨に反すると判断したためとみられる。

 弱い立場の非正規労働者が正社員としての雇用を求めて提訴する動きは広がりつつある。非正規労働と貧困が社会問題化する中、偽装請負や09年問題など、製造業派遣の本質に関わる問題を司法に問う訴訟の意義は大きい。【日野行介】

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